システムというのは、仕組みである。システムで真っ先に思い浮かぶのは、コンピューターのシステムである。コンピューターのシステムを動かしている論理は、アルゴリズムである。コンピュータのシステムというのは、仕事の流れ、つまり、業務フローを土台にして設計されている。つまり、仕事の流れ、仕組みがその土台にある。仕事は、無数の作業から成り立っている。作業は、動作から成り立っている。仕事の流れは、作業の順番や組み合わせのための一定の決まり、原則がある。動作、作業をその一定の法則、原則によって並べ、組み合わせたものが業務フローである。
システムとは、仕組みである。故に、システムの論理とは、仕組みの論理である。仕組みとは、仕組まれたものである。また、仕組みものである。つまり、合目的的なものである。さらに、仕組みは、構造を持つ。即ち、システムとは、合目的的な構造物である。また、合目的的であるという事は、初期設定がある。初期設定は、前提から成り立つ。そして、仕組みは、実体的な裏付けがある。即ち、物である。例えば、コンピューターシステムには、インプット、アウトプットがあり、更に、業務フローという裏付けがある。この様に、システムの論理は、実体的論理である。観念的な論理ではない。つまり、実証主義的な、検証主義的な論理である。
この様なシステムの論理の基礎となっているのが、アルゴリズムである。コンピュターシステムを動かしているのは、プログラムである。そのプログラムの基となるのがアルゴリズムである。アルゴリズムというのは、処理手順である。つまり、論理である。
システムの論理は、環境と前提に大きく影響される。つまり、設定がしっかりしていないと有効に機能しない。つまり、予め、動作が決められておく必要がある。予め動作を決めたものがプログラムなのである。このプログラムの基礎を形成しているのがアルゴリズムである。つまり、アルゴリズムとは、処理、動作の手順である。この手順を決めるためのルールが、プロトコルである。
アルゴリズムを図形化した物がフローチャートである。フローチャートを構成する要素、記号には、第一にデータ記号。第二に、処理記号。第三に、特殊記号がある。データ記号には、第一に、データ(data)。第二に、表示(display)。第三に書類(document)。第四に、手操作入力(manual input)がある。処理記号には、第一に、処理(process)。第二に、定義済み処理(predefinded process)。第三に、準備(preparation)がある。特殊記号には、第一に判断(decision)。第二に、ループ端(loop limit)。第三に、端子(terminator)。第四に結合子(connector)。第五に線(line)がある。(「よくわかるアルゴリズムの基本と仕組み」杉浦 賢著 株式会社 秀和システム)
フローチャート、流れ図という言葉が示すように、コンピュータースシテムには、流れがある。流れとは、一連の連続した変化である。連続した変化というからには、システムは、時間の関数である。
流れであるシステムの論理では、第一に、始点と終点。第二に、分岐点と結合点が重要な要素となる。システムの論理には、始点と終点がある。そして、始点と終点は、一つにする必要がある。それは、始点と終点が複数になるとシステムの整合性がとれなくなるからである。また、分岐点と結合点がある。分岐点と結合点は、判定と接続の機能がある。物事には、始まりと終わりがある。一見、当たり前のように思えるこの事が意外と解っていないのである。たらだらといつの間にか始まり、わけが解らないうちになんとなく終わっていた。そんな仕事がままある。何事も最初が肝心。竜頭蛇尾にならないようにと古来言われてきたというのに。だらしない仕事が多い。初期設定、起動操作、終了処理、後始末、保存といった最初と最後を予め明らかにしておく必要がある。
システムは、全体と部分から成る。その部分にも全体がある。それ故に、段階的詳細化をする必要がある。つまり、徐々に部分を鮮明にする必要があるのである。段階的詳細化は、論理の展開に階層を生み出す。この様な階層は、システムの論理の中にツリー構造を派生させている。
システムの論理は、一本調子のものではない。多くの部分を関連づけることによってシステムの論理は構築されていく。
仕事ができない理由の一つが関連づけができない事がある。仕事を一種のシステムと捉えると、一つの仕事を一つの全体とすると、仕事は、作業という部分からなる。そして、作業は、動作からなる。その部分の作業は、作業で人、物、金の部分を持つ。これらを関連づけてはじめて仕事は成立する。この関連づけのためのルールが、システムの論理の文法であり、関連づけられた仕事の過程が仕事の論理である。
システムの論理には、構造がある。システムの論理構造の代表的なものが、逐次構造、選択構造、前判定型反復構造、後判定型反復構造などである。
システムの論理というのは、世界を変えた。それなのに、システムの論理は、未だに、一部の分野だけでしか認められていない。そして、論理というと、形式論理だと思い込んでいる人達がまだまだ多い。システムの論理をより敷延化していく過程で我々は、多くの可能性を得ることができるのである。