孤  独


経営者は孤独だと言いますが、孤独なんて感じる暇はなかったですね。
孤独を感じるとした確かに暇になった時ですね。
孤独なんて感じたら、経営者なんて片時も、正常な精神を維持する事はできません。
自分の仲間を部下を信じる以外危機的な状況を乗り切ることはできませんからね。
孤独を感じたくない経営者の中には、わざと危機的状況を作っているんじゃあないか思われる人もいるくらいです。

ですから、強いて言えば覚悟ですかね。
俺はここで死ぬとか、この一点で死ぬといった。

だから、危機的状況に陥ったら、「お前は、最初から覚悟してんじゃなあないなかったのか。」と自問自答するだけですね。

最後はどんなちっぽけな個人商店、個人事業主でも死に物狂いで来るんです。
そして、命がけで戦っていけるかどうかの差で生き残れるかどうかが決まる。
執念の差ですね。だから気力が続かなくなったら、経営者なんておしまいですよ。一巻の終わり。

結局新聞を見てみればわかりますが、殺人事件に巻き込まれるのは、経営者が多いんですよ。また、自殺するのも。
銀行だって経営者に個人保証をさせ、家族を連帯保証人にしたうえ、私財全てに担保かけ、さらに、生命保険かけて命までも担保にして金貸してくれるんですから。えげつない連中なんです。
「金返せなかったら死んで返せ。」と暗黙に言われているようなものです。死ぬのも、「ちゃんと金返してから死ね。」と言われますから。金を返して死なないと累は、親兄弟、親類縁者、自分を信じてくれて保証人を引き受けてくれた恩人にまで及ぶ。そうなると死んでも死にきれないですよ。

だから、結局、覚悟するしかないんです。覚悟の差しかないんです。
どんなに考えたところで結果が出せなければおしまいだし、何とかしなければ、終わりなんです。
最後は理屈じゃあないんです。
考えていたって無駄だから行動するしかない。

後は一切言訳なんてしない。弁解もしない。自分がみじめになるだけですから。謝らなければならないのなら、ただ謝るだけです。

経営者が孤独を感じるには、この世の中不確かな事が多すぎるんです。
経営者が孤独を感じるようになったら、きっとその時は引退すべき時ですね。口が裂けても孤独だなんて言えませんよ。

自分を信じて従っている部下がいるんです。自分が守らなければならない家族がいるんです。だから、逆に孤独になれない。皆自分を見ているんです。
感傷に浸る暇があったら戦えと…。孤独になっている暇を与えてくれないですね。

それが経営の現場なんです。



最後は、理解者なんでしょうね。

理解者がいてくれるからこそ、孤独にも陥らずに、前を見て進めるのだと思います。

誰もわかってくれない、何のために、誰のためにと思った時に、何もなかったらと思うとゾっとします。

ですから、経営者は孤独になれないんです。
孤独を感じたら自分を保てないのです。



実際の仕事をしているのは、部下たちです。
自分は、全ての現場に立ち会う事はできません。
ただ、経営者として皆とともにいることぐらいしかできません。
実際に仕事をして、また、解決するのは、部下たちです。
決断したら、部下を信頼して任せる。
ただそれだけしかできません。
部下にとって経営者は理解者でなければなららない。
でも、それが部下にとって一番大事な事だし、わが社にいる理由だと思うのです。
自分を理解してくれるそう信じるから困難な事、自分の限界にも立ち向かえるのだと思うのです。

自分は理解されていないと思った時、部下は、私の下から去っていったと思います。


師は弟子を認め、弟子も師を認める。
互い理解しあう関係が土台にあって本当の師弟関係は成り立つ。

今の学校には、その真の師弟関係が失われている。


補足

本音でいうとコンサルタントさんの意見は、気休めにしかならないですね。
気休めでしかないとわかっているんですが藁にもすがる気持ちで助言を聞くのです。

以前、ある上場企業の社長と話をする機会があったのですが、その社長は、言ってました。
「いろいろと自分でデータ使って計算して、分析をするんだけど、決段するときには、何の役にも立たないんだよね。気休めにしかならないんだけれど、でも、それをしていないと決断できないんだよ。」と言ってました。

気休めにしかならないのはわかっているんですが、その気休めにしかならない事が大切なんです。
それがないと気持ちが前に進まない。

でも最終局面では、全責任をもって自分ひとりの意志で決断しなければならない。
そうしなければ、責任をもってやり抜くことができませんから…。途中で息切れしたらおしまいなんです。






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