民主主義も絶対ではない。


民主主義運動というのは、時折熱病のように広まる事がある。
しかし、それが常に、ハッピーエンドを迎えるわけではなく。
より悲惨な状況に当事国を追い込んでしまう事がある。
民主主義は、絶対ではない。

自由主義者、民主主義者の中には、民主化、自由主義化されれば、全てが解決すると楽観的に考えている人たちがいるが、事はそれほど単純ではないのである。

民主主義が成立するためには、民主主義が成立するための前提や条件がととのはなければならない。

民主主義というのは、極めて構造的であり、いくつもの条件がそろわないと成立しないどころか、大混乱を引き起こし、時として大勢の犠牲者を出す結果を招く事がよくあるのである。

元々、民主主義は、革命によってもたらされるのである。
混乱と無秩序の中から暴力的に成立するのが民主主義国である。

民主主義体制、自由主義体制が生まれる前から成立し、民主主義体制、自由主義体制の中で育った人間にとって民主主義や自由主義は自明な事のように思えるかもしれないが、実際は、民主主義体制とは、いろいろな偶然や幸運があって成立つした体制のである。
民主主義と非暴力とを結びつけてあたかも民主主義そのものが平和であるかのごとく錯覚している様に思えてならない。
しかし、民主主義は、革命を母体として生まれた体制なのである。

その意味では、民主主義の成立には、いずれの場合でも軍が深く関与している。
民主主義は、暴力革命によって生み出されてきたのである。

日本の特異性は、敗戦によってアメリカから持ち込まれた民主主義だと言える。それも暴力と言えば暴力的な話である。
何の抵抗もなく権力者が権力を手放すはずがないのである。
なぜなら、権力者にとって権力は自分の身を守る鎧や盾のような存在だからである。

天安門事件や湾岸戦争、ジャスミン革命などが起こるたびに民主主義運動を楽観的に考えるメディアに懸念を感じる。
民主主義は、混乱と伴に生まれる。
それは、破壊と暴力の火炎の中から不死鳥のように生まれてくるのである。
その混乱を収束できなければ、民主主義は、無政府主義となり、より暴力的な勢力に支配される道を開くのである。
民主主義、民主主義として成立するためには、政治的、経済的、文化的インフラストラクチャーが整っていなければならない。
さもないと破壊と虐殺、内乱、他国からの干渉などを招くのである。

又、民主主義勢力の最大の弱点は統制のなさである。
民主主義は、民主主義を建前にするために、独裁的な体制を最初から否定するのである。しかし、それでは、戦力を集中できる勢力には、太刀打ちできない。
民主主義勢力も権力が安定するまでの間、統制を保ち続ける必要がある。そのためには、民主主義勢力も武装し、統制をとる必要があるのである。






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