憂  愁



日だまりの中ウツラウツラと微睡んでいると
パパという幼子の声が聞こえて様な気がした。
少し開いている扉の向こうに
いるはずのない息子に、
いつ帰ってきたんだと声をかけて。
ふと我にかえる。
パパと声を掛けたのは、自分のような気もする。
父の姿はもう見えない。
巡り巡って今の自分がここにいるのか・・・。
出会いと別れは世の常なれど・・・。
女は涙を流せるけれど、
男は、虚しい思いに戸惑うばかり・・・。
いつ会えるのかなと一人呟く。
記憶は走馬燈のように駆け巡るけれど・・・。
それもやがては、色褪せてしまうのかもしれない。
全ては、夢の中の話。
確かなのは、今、目の前にある現実だけなのかもしれない。
一人。
長いすに座って、
又うとうとと微睡む。
夢の中で又逢おう。




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