国家は暴力装置であり、
如何に暴力を制御するかが、国家最大の課題である。
国会も、法も、普通選挙も、分権も、義務教育も、文民統制も、言論の自由や思想信条の自由も、警察機構も、軍事機構も、暴力を制御するための装置である。
そして、その根底をなしているのが憲法である。
これらは総て暴力を制御するための装置である。
国家の起源は、武力、暴力に始まる。
近代国家も革命、クーデターと言った権力闘争によって建国される。
国家の任務は、内や外の暴力から国体を護る事にある。
かつては、支配者や支配階級を守る事を専らの任務としてきたが、国民国家が確立されるに連れて国民の生命、および財産を守る事を任務とするようになった。
いずれにしても国家の原初的働きは、国防と治安維持である。
原始的な国家機関は、軍と警察、そして、軍と警察を制御する権力機構である。
その次に形成されるのは徴税機関である。
徴税機関も当初は収奪機関であった。
国民国家になってからは、税は、公共の福祉と所得の再分配が主たる役割となった。
国家の主権は、権力者、支配階級にあったのである。
国民国家では、主権在民を根本理念とする。
しかし、これは思想に基づいているのである。
主権在民は、所与の原理ではない。
人間が生み出した観念によるのである。
軍と警察、そして、これを統御する機関は謂わば脳幹に当たる。
権力機関は、行政機関を核として司法機関が成立する。
司法機関は、立法府を生み出す。
これらは、国家機関の根底を作り出していく。
軍は国防を担い。警察は、治安を担う。
基本的国家は、暴力装置なのであり、共同体を侵略しようとする外敵と内部の秩序を乱そうとする内部の敵から、共同体を守るために形成されるのである。
内憂外患から共同体を守るための装置が国家である。
侵略と犯罪から国民を守るのが国家の役目である。
国家が組織としての整合性を持つためには建国の理念が確立される必要がある。
建国の理念が確立される以前の国家機関は、私的国家に過ぎない。
近代的国家、国民国家は、建国の理念を土台にして建国される。
建国の理念は成文化される事によって憲法となる。
国民国家が形成されるに従って法の権能が重要視されるようになり、それによって立法府が発達する。
立法府の発達は司法の独立を促す。
国民の概念は、法の概念と不離不可分の関係にある。
国民の概念が確立され法の体系が整備されるのに従って
軍と警察は、権力機関の支配下に入る事によって制御されるようになる。
憲法が建国の理念を実体化し、
法が国家正義を実現するのである。
故に、立法は国民の基本的権利である。
法に従うのは国民の義務である。
そして、司法が国民の権利と義務を保障する事になる。
司法は、国家権力から国民を守る盾となる。
さらに、国家の体系が確立されるのに従って教育や福祉が確立されていく。
又、税制が、私的権力を維持する目的の制度から、国民経済の実現を目的とするものに変化し、所得の再分配や公共投資の働きが重視されるようになる。
それによって国民経済が確立され、制御されるようになる。
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