ただ一言未練


自分は、決断に際し、迷った時、ただ一言未練と片付けるように心がけている。

未練なのである。

指導者たる者、万策立てて、万策捨てる覚悟が必要である。
血を吐く思いで策を立て続ける。しかし、事にあたっては、そのすべての策を捨てて現状を直視する。

万策尽きた時にこそ、真の策、指導力が問われるのである。
過去やおのれの執着心によって現実を見誤ってはならない。

過去の成功ほど恐ろしいものはない。
過去の成功など自慢話にもならない。

自分も65歳である。65になってしみじみ思う。
若い頃の振り返ってみれば恥ずかしい事や過ちだらけである。
年相応に知識や経験を積んできた。
だから、間違いをしなくなったかと言うとそうではない。
むしろ、気力体力に勝っていた若い頃の方が間違いを犯さなかったかもしれない。

常に新鮮な気持ちで過去を断ち切る思いで、ただ一言未練と決断する事に変わりはない。
ただ、前を見て。ただ前を見て、ただ一言未練と踏み込んでいくしかない。

その時は、素の自分をさらけ出すしかない。



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